株式会社NTTデータ関西(以下「データ関西」)は、防災用放送装置の駆動補助用鉛バッテリ及び非常用鉛バッテリを長期間有効活用するために、鉛バッテリ回復装置である「バッテリーリフレーッシャー」を採用いたしました。

鉛バッテリは、一定期間使用した後に交換されます。理由は、鉛バッテリは充放電の繰り返しにより電極に硫酸鉛の結晶が付着し、鉛バッテリの導電性能及び蓄電性能が減少するためです。「バッテリーリフレッシャー」は、その電極に付着した硫酸鉛を電気分解し、電解液に戻すことにより鉛バッテリの性能を回復する装置です。

今回の採用に至るまでに、複数回にわたり鉛バッテリ回復の実証実験を行っており、その効果が認められたため正式採用となりました。バッテリーリフレッシャーの取付は通常なら交換となる使用開始後3年の鉛バッテリ282台を対象としており、当初計画で2回目の交換時期である2024年までの延命を目指します。以下、鉛バッテリ回復の実証実験結果の一部です。

バッテリ型番:PWL12V24(GSユアサ製)
初期内部抵抗:10.9mΩ

回復結果

日付 電圧 内部抵抗値 備考
2020/6/12 12.65V 12.85mΩ 満充電状態
2020/6/17 12.83V 10.47mΩ 4回の充放電を実施
2020/6/19 12.87V 10.41mΩ 1回の充放電を実施
※ 実証実験の一部を掲載しています。
※ 実際の防災用放送装置で使用されているバッテリ型番とは異なります。

鉛バッテリは環境への負荷が高く、長期間にわたって使用することが理想的ですが、電極への硫酸鉛の付着によって劣化しますので、一定期間使用後に廃棄・交換されています。しかし、廃棄される鉛バッテリの中にはまだ使用可能な鉛バッテリも多く存在をしています。「バッテリーリフレッシャー」を使用することにより、電極の劣化を回復し維持することにより、鉛バッテリを廃棄せずに使い続けることが可能となり、コスト削減だけでなく地球への環境負荷の軽減にも貢献いたします。